働くハハの暮らしと家計簿

都内で働くワーキングマザーの日記です。

【読書】ダメをみがく 女子の呪いを解く方法

『ダメをみがく 女子の呪いを解く方法』

2013年に発売された本だけど、めちゃくちゃ面白い。自分の中でまれにみる他人におすすめしたい本。特に、ちょいちょい生きずらさを感じている人にお勧めしたい。コミュニケーションの達人、みたいな人には不要かも、でもコミュニケーションが苦手な人の心理を知るのにはよいと思う。


(他におすすめしたい本としては、『きみの膵臓を食べたい』はすごくいい、らしい。会社の若手男子がこぞってキュンキュンしていた)

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい



『ダメを磨く 女子の呪いを解く方法』

芥川賞作家の津村記久子さんと、
「草食男子」名付け親の編集者、深澤真紀さんの仕事と人生の対談集。

もともと日経womanオンラインで連載されていたものに加筆修正されています。

女子の呪い、とありますが、女子が呪われているわけじゃなくって、自分で自分にかけている呪いから縛られることないよ、という趣旨です。

ただ、本書を読むと、ダメな自分を肯定できてしまう(というより無駄に頑張ってる、自分?)という気になって、仕事頑張る気になれなくなります。

ただ、長く働ける働き方のコツみたいなものは散りばめられている。っていうか二人のやりとりに共感できる部分が多すぎて、もう。


【仕事編】
・ゆるい会社って悪くない
感情労働について
・工夫マニア
伊東屋カウンセリング
メイリオ談義 
・長く働いている人は幼児性が強い
・職業訓練校について
・立場で尊敬を求める人

【生活編】
・親子関係について
・『「つながり」の精神病理』中井久夫
・ネタなしに人と会わない
・自分がダメなときに人に会わない
・ポモドーロ・テクニック
・A面仕事、B面仕事
・普通の人と普通の結婚がしたいという呪い


メモメモ。気になった方はぜひ読んでみてください。

会社って、一つでもいいところがあって、本当に我慢できないところがなければ、それで充分だと思う。
日本では、正社員のルートを一旦外れると、なかなか戻れない。それはいいことじゃないけど、社会がそういうシステムになってることはどうしようとなくて、今の日本では正社員のルートにいられるなら、とにかくそこにいた方がいい

私もそう思う。ただ、子育て中だったり介護が必要だったり、時間的制約がある社員が腐らず甘やかされず働け、きちんと評価できるような仕組みは整えるべきだと思う。長時間労働撲滅したい。

会社に期待しすぎるよりも、自分のありかたを変えていったほうが早いし心のすり減りも少ない。あの人はすぐ帰る人、あの人はちゃんと有給取る人、でも仕事はちゃんとやってるよね。という風に持っていければいいのである。以前は、さっさと帰る人に「なんであの人はさっさと帰るん?ムキー!ズルいっ!」って思っていたんだけど、それだと長時間労働万歳!なカルチャーに加担しているだけなので、なんてことはない、自分も早く帰ればいいだけなのでした。でもってそこについては罪悪感とか持つ必要ないのよね。このあたりの具体的なテクニックについては、脱社畜ブログに詳しいのでそちらにかなりお世話になっている。

的が私でも、他の人であっても、何か屈託が出てしまう人は、やっぱり本人自身がつらいんだということがよくあります。

深澤さんは津久井さんを
「こういう作家ぎ出てくるのを待っていたんだ!」と絶賛していた。お互いダメな人間だと忌憚なく語れる、しかも世代が違うのに。それが羨ましいことこの上なし。

上の世代の深澤さんが、自分のダメさを開示しているからなのか、津村さんの人となりなのか、トライ&エラーの積み重ねで少しずつ生きやすく改善している様が対談からも滲み出ていてとても面白く読んだ。私は津村さんの作品をポトスライムの舟しか読んだことがないのだけれど、問題を切り離して考えるということが上手な人なのだな、と感じた。それは作家という職業柄、物事を俯瞰して見るからなのか、育った過程で身についた習性なのか。他の作品も読もうと思う。

思い返せば新卒時、入社1週間で早々に辞めようと思ったのになんだかんだ働きつづけて今のところ辞めるつもりもない。定期的にもう辞めよう!と思うことはあるけれど。でも本書を読んで、いや、辞めてもいいんちゃうかな?と思ったり。ただ子持ちで転職活動となったら厳しい条件だろうと思うのでなかなか踏ん切りつかないし、それでも働かせてもらっていることに対する感謝も義理も感じている。なんだかなぁ。

私は職場の若い子たちが絶望しないで働けてればいいなぁと思っているんだけど、
(もしかしたら影ではお局扱いされたり楽しやがってと思われているかもしれないけど)
それでもやっぱり辞めていく人もいるし、その度に凹んでいたんだけど、辞めてく人は辞めてくし、居続ける人もいる(居続けている人が必ずしもいて欲しい人でもない、というところが難しいところ。なんだかんだぬるい職場なのでそれに慣れてしまうとやっていけるようになってしまう。さながら茹でガエルの心境。私もそう思われている可能性もあるけど…!気にすまい…!)

結局、働く気がなくなる本かな?と思ったんだけど、無駄な頑張りはやめよう、というだけで、働けるうちは、クビにならないうちはやっぱり働こうと思いました。

あと10年もしたら再びガンガン働けるから新たな仕事人生をこの5〜10年の間に模索したい。自分探しなんてダサいという風潮があるけど、今の仕事の延長上なのか、それとも全く別の部分なのか。職業訓練校にも機会があれば行ってみたい。
本当は、大学教授にあるようなサバティカルが普通の会社でも取れるといいんだけど。1〜2週間じゃなくて、1年ぐらい、半年でもいい。もちろん無給で構わない。戻ってくる場所は欲しいけど(ここが贅沢なのかな?)
そういう意味では産休、育休はサバティカルにあたるのではないかな。もう一度産休、育休取りたいぐらいだもの。男性には育休はあれど産休はないのが可哀想だと思う。産休時期は人生で一番いい時期だった。ただもう一回新生児から育児をするのは私には気力がなくて無理である。新生児の可愛さは新生児を見るたびフラッシュバックするんだけどね。