幻冬舎の見城さん、林真理子さんのエッセイ集。16年間絶交していて、再び交流をはじめた2人の対談のくだりは時代のうねりみたいなものを感じられてエキサイティング。
うーん、こんな風に一流の仕事人的な働き方がしたいものだけれど、ほど遠い…。
- 作者: 見城徹,林真理子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/09/30
- メディア: Kindle版
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母親はアラ還なんだけれど、昔から林真理子のファンで、昔っから、しょっちゅう図書館で借りてきていたし、週刊文春のエッセイを楽しみに読んでいた。で、本書も買って読んで、このところ会話にしょっちゅう林真理子と見城さんが〜、というネタを挟むので、そんなに面白いんかい、と思って借りたのです。
…多分読ませたいんだろうなー、と思い。なんて親思いなのかしらん。
私が林真理子さんの小説を読んでも、ファンタジーにしか感じられなくって退屈だけれど、どうやら母親の世代にとってはファンタジーを纏った恋愛の方がリアリティがあるようだ。その証拠かどうかわからないけど、母親は還暦過ぎにしちゃ随分若いし贔屓目かもしれないが綺麗な方である。日頃からスポーツで鍛えているだけあって体型も全く崩れていない。容姿を保っているといえばいいか。なのでその気になったら年齢なんか関係なく、その上未亡人だし介護する人もいないしで、子供は独立しているし、なんなら再婚したっていいと思うのだけれど、(相続がややこしくなりそうだが)そんな気配はさっぱりである。せいぜいその所属しているスポーツクラブにせっせと通うぐらいのようだ(…というのはこちらが勝手に思っているだけで、実はめくるめく愛憎ドラマがあったりするのかもしれないけど)
本書の中で、お互いのことを肉体関係のない愛人関係だったり、魂のなんちゃらみたいな表現がされていて、仕事上でそんな付き合いがあることが心底羨ましいと思った。
そんな人、一生現れないんじゃないかな?って思ったけど、こちらがコミットしない限りそんな人は現れないのだ。見城さんが角川春樹さんのために頑張って仕事したような存在が今の自分にはいない。我が身を投げ打ってでも、血尿だしても頑張れる…ほどの仕事じゃない。消耗はしているけど。消耗しない仕事なんてない。
でも、仕事で嫌な人がいても正面からぶつかるのは面倒くさいし、そもそもワーキングマザーの時間は限られすぎているのである。
本当は、膝付き合わせてじっくり話したいけど、迫るタイムリミットに向けてパズルのようやなスケジューリング×2。会社を出たら、今度は家庭の段取りを組み立て、家事をこなし、最低限(のこともできてるか怪しい)のことをこなす日々。
やり抜くこと、努力しきることは勿論大事だと思うが、それを1人でやろうとするのは無理。うまく他の人に協力してもらってなんとか回す…ぐらいで精一杯な現状をいつになったら打破できることやら。なおかつ周りのワーママも家庭を第一でしょっちゅう休み、はたから見たら仕事をしているように見えない人もいるから余計にモヤモヤする。いや、それぞれ事情があるのは分かっているし、わが子が健康で恵まれた環境だということも分かっていんですよ。でもモヤモヤする。ということは周りの人も自分に対してそう思っているのだろうと思うとやり切れない気持ちになる。
でも、そうモヤモヤするのは、自分の中に他人から評価されたい、という思いがあるからで、でもそのタイミングは今ではないのだ。今は、評価されなくても腐らず、じりじりと努力する、細かい実績を積み重ねることにする。
- 作者: 林真理子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/04/18
- メディア: 新書
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合わせて読んでいなかった野心のすすめも今更ながら読む。ハヤシさんは、女性は働くべきだ、一流の世界と二流三流の階層のボーダーについて繰り返し書いていて、確かに生まれ持った育ちの良さによっては生まれてから死ぬまで自分の手を汚さずに生きていける人もいるんだよなぁ。残念ながら我が家は親はいわゆる中流、そして子ども世代は共働きなのに親世代の年収に届きそうもない、という負け犬ぶり。両母は専業主婦を謳歌した世代だけど、昔は結婚したら辞めるのが当たり前だった、今は働けるから羨ましいと口では言う。母世代の方が優雅で羨ましいけど、かつて母親に向かって私は専業主婦にならない、と宣言していたらしいから、致し方なし。
- 作者: 林真理子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2015/09/07
- メディア: 単行本
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