一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる
- 作者: ミセス・パンプキン,ムーギー・キム
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/02/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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私は結構子育て本を読むのが好きな方ですが、それは読み進めるとともに自分がどう育てられたか、自分ががどう育てたいか振り返る良いきっかけになるからです。
たまに、子育て本を読む暇があったら自分の子供と向き合えとか言ってくるお節介な人がいますが(実際に言われた)自分のことを客観視するには、2人で向き合っているだけだとなかなか難しい。
たとえ1人の子どもしか育てていない、独りよがりな子育て本だったとしても、そこにはその親御さんの真剣な想いがあるわけで、何がしかの参考にはなる。ただ、そんなに読む気にはならないですが…だったら尊敬できる身近な人の子育て体験談を聞けばいいだけです。
『一流の育て方』の内容は、
リーダーシップがある人材になるにはどんな育て方をされてきたか?200人以上の難関大学学生へのアンケートと著者の4人の子育て経験、およびグローバル・キャリアで実感した視点でみた子育ての教科書
⚫︎優秀なエリート学生の家庭教育方法の調査
優秀なエリート学生が、社会に出てからもエリートであり続ける保証はない。学歴はあるけど頭が悪い、と思わせる人に今までどれだけ遭遇したか? もしくは、出世はしているけれど、人として尊敬されていない、という人はいないか?
ぜひ、10年後、20年後に追跡調査してもらいたいです。その時こそ、真の一流の育て方が何か分かると思います。
⚫︎著者の豊富な育児体験からくる一般論に頼らない実践的な育児論
東洋経済オンラインのミセス・パンプキンの育児相談コラムも好きでよく読んでいたのですが、
4人の子をそれぞれ世界で活躍するエリートに育てあげたというだけですごいな、と思います。ただ、本書を読む限り、お子さん4人を中学受験させている&4人とも、ピアノ、水泳、習字、絵画教室に通わせていたとあるので、教育にしっかり、というか金に糸目をつけないほどお金はかけているんだなぁ、そこまですれば普通はちゃんと育つでしょうよ、というのが率直な感想。そして4人が4人とも海外で活躍しているというのは、おそらく日本の会社、社会には合わなそうだなと判断した結果なのでしょう。たまたまみな活躍しているからいいけど、引きこもりになったり、精神的に病んだりすることも十分にありえます。できればなるべく教育費をかけずに賢くなって欲しいのですが、親のわがままなのでしょうか。親の年収と子供の学歴にはかなりの相関があるらしいですが、
もともとの能力は大差ないのに環境と教育によって大きく差がつくのが現実なので、出来ることはしてあげたい。
本書には、一流に育てるための7大方針55カ条が挙げられています。
1.主体性を最大限伸ばす
2.視野を広げ、天職に導く
3.やり抜く力「グリッド」を育む
4.一流のコミュニケーション能力を磨く
5.自分から勉強するようになる 習慣づけと動機付け
6.勉強以外の勉強をさせる しつけ・教養・模範を示す
7.無償の愛情を感じさせる
その中でもそうだよなぁと特に納得、自身も実践したいと思ったのは以下。
・子どもに目標を設定させる
…私、未だに目標設定が苦手なんですよね。
資格試験とか、ゴールがはっきりしているものだったらまだマシなのですが、仕事のゴール設定とか、自分がどうなりたいのか?とか考えるのが苦手。『自分のアタマで考えよう』じゃないですが…。
なので、子どもには身につけさせたい。なるべく選択肢を与えたり、決めさせたりしているけど、もっと大きな目標の話とかをするといいのかしら。
・自主性は尊重しても、アドバイスは十分与える
これもよくわかる。私は親に相談もしなかったし、とりあえず卒業して就職すればいいんじゃない?って感じで放任だったけど、漠然と夢見がちな子どもとちゃんと目標がある人は行動が違う。子どもがいても働き続けたい、という非常にアバウトな目標は実現しているけど…。学生時代、もっとどんな仕事がしたいか真剣に考えればよかったなぁと切に思います。何しろ40年ぐらい働くのに、生活の糧として働くのはつまらない。
・選択肢を示し、最終選択は子どもに任せよ
自主性を重んじることと、子どもに丸投げすることは違います。
親の責任放棄や怠慢、助言と強要の違いを親はしっかりわきまえなければなりません。
そうだよねー。同意!これは、子どもと親を部下と上司に置き換えると、子育てだけでなく、職場でもよくある話。
・個性を尊重する
人と違うことを恐れるな
協調性ばかり教えると、「ことなかれ主義」になる
・人に迷惑をかけるなより役に立て
子どもが萎縮しないように
私は逆に、道徳観念や倫理観に乏しいので、3つ子の魂100までじゃないですが、もう少し刷り込みして欲しかったなぁと思います。あまりに正論をふりかざす人も苦手ですが。
・「小さいこと」から自信をつけさせる
子供の頃の優位体験が自信につながる→あるある。九九とか。
・一芸に秀でることが、飛躍につながる
私もずっと続けていた習い事があり、決して上手いわけでもないのだけど、たまに役立つことがある。ピアノは練習するのが嫌いでさっさと辞めたかったけど、親が10年はやれ、という方針で辞めさせてもらえなかった。今は楽譜を読むのもおぼつかないぐらいだったので、強制されてもいいけどもう少し早く辞めたかったなぁ…。特にそれで忍耐力がついたわけでも上達した訳でもなく、勿体無かった。
この場合の習い事選びのポイントは、一芸に秀でるためにはちょっとマイナーまたは役に立つものを選ぶといいと思う。母数が多いものだと、あんまり秀でられない。もちろん、プロを目指すとかであれば、競技人口の多いすなわちお金になる可能性があるメジャーどころを選ぶべきだと思うのですが。例えば華道とか、書道とか、運動系だったら剣道とか、柔道とか。和的なものばかりあげてしまったけど、現代っ子だったらプログラミング教室とか?親が機械工作が得意なんだったら、3Dプリンタ工作とか、はんだづけとかするといいと思う。
2.視野を広げ、天職に導く
視野が広く、自分の好き嫌い、強みと弱み、価値観を理解できている人は将来の職業選択において天職に近づきやすい。
視野を広げる
1.視野を広げ、知的好奇心を刺激する
2.読書で知見を広め、学習習慣を身につけさせる
3.好きな本で読書を習慣化させる
4.世界に視野を広げる
天職への道をひらく
5.自分から興味を持ったことを応援する
6.才能の種を見つけて原石を磨く
中途半端なたくさんできる子ではなく、自分は何が好きで、何に才能があり、どの分野なら競争に勝てるのかに気づかせ、その道に進む道筋をつけてあげることが大切
うーん、この辺も自分自身は放任で育ったなぁ。特に大学時代はやりたい事をつまみ食いして終わってしまった感があったので、何が一つでも突き詰めればよかったと切に思う。ただ、何だかんだ現在の仕事につながっている気もするので、それはそれでいいのかな。一流ではなく二流、三流なことが悲しいけれど。今からでも真剣に考え直すべきか。
長くなったのでこの辺で。
子育てアドバイス&子ども側の意見が豊富に掲載されているので、ふむふむ、我が家はどうだったしらと振り返ると同時に、自分の子育ての方針を考えるのに役立ちます。
偏りはありますが、なかなか役に立つ1冊です。
教育系だと『学力の経済学』もよかったのですが、ぜひ、『一流の育て方』の読者にアンケートして中室さんに分析してもらいたいな、と思いました。
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